■

• かつて、四条烏丸、大丸裏に雲竜という食堂があった。街の洋食屋さんという感じ。ガキの頃から20年ほど通った。味付けがちょっと下世話な意味で濃くて、店が存続してる間中、ハマってた。「わけて」という通称で呼ばれる、カツ丼のご飯とカツ玉別皿セットが旨かった（よしのやの牛皿にメシ足すみたいな）。衣の歯ざわりがザクザクしてて最高に心地よい魚フライと、豚バラ細切れのケチャップ炒めがセットになった夜でも喰えるＢランチは最高だった。中華そばもあって、僕のラーメン基準はここにある。450円だったかな。ので、ラーメン屋の並一杯の基本となっている600円出して、ここよりマズい、そう、はるかにマズいラーメンを平気で出してくる店は相変わらず許せないし、そして俺は今も、あの店の味を探している。

• つーわけで、もう俺があの店を再開しようかとか勝手に考えている。何喰っても旨いんだもんよ。ここ最近、漠然と「洋食屋やりたいなぁ」とか最早狂人の域に達するかというような思考しか出来ずにおるので、そこに繋がって雲竜の事を思い出した次第。洋食って、京都は、俺が知らんだけかもしらんけど、あまり旨い店がない様に思う。烏丸の亜樹はほんとにおいしいし好きだけど、他は余りピンと来ないんよね。おいしい、とか、素材がいい、とかはあるんだけど、ハマらへんねん。

• ハマる要素ってなんだろね、と、中二病の頭脳をフル回転させて考えるに、結局はどっか胡散臭い音楽を僕は好むように、どっかで、食い物もジャンクな感じがないとダメかもな、って言うところにたどり着いた。如何に化学調味料不使用のラーメンを喰らった所で、ああそうですか、って感じで終わるわけだ。しょっちゅう通うあのラーメン屋はどこぞに強烈な個性をブチ込んで来るか、そうか、どっかしら胡散臭いかだ。完璧なのだ。完璧に決まっているのだそれは。だが何かしら、不完全な気もする。不完全なものにはグッと来る。比類なき完璧に見えるものより余程良い。

• 結局何が言いたいのかいつも通りよう分からんけどそんな感じで今俺は洋食屋を、やりたいのです。まずオムレツからだな。オムレツから強烈に旨かったんだよあそこは。醤油も何も掛けないでも普通に米が食えたもんな。どんな下味付けてたんだろ。記憶との戦いが始まりそうな今日この頃。