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- あの子も知ってる祇園の天下一品知恩院前店の向かいに、焼肉屋の雲助という店がある。なんとなく今日はそこに行こうと決めていた。仕事もなんとか適当に終わらしたし（つかもうほんとどうでもいい）、ひとーりで焼肉をのんびり食べようと。レバ刺し喰いつつ生ビール。今まで行ったどの焼肉屋より正直おいしくないのだけれど、しみったれた男の週末には丁度いい、いや余りあるほどだ。夫婦で営んでおられて、友達も知人も居ない俺に「（テレビのチャンネル）野球でいい？」という気づかいを受ける始末。俺野球大嫌いやねん、ともいえず、「ああ、なんでもいいっす」と相手の好意を無に帰すような返ししか出来ず。まぁメシを喰いに来てる客なんで、そこまで気を使わんでいいか、とか思いつつタン塩を焼く。ああ、ふつうの味や。とびきりうまい！ともならない。でもそれがいい。俺には丁度いい。これがもし旨過ぎたらうそ臭い。ぼけーーっとテレビ見てたら、どう見ても同伴なオッサンと安モンのホステスが来て、品性のカケラも無い、現実に即した、かつ、噛み合わない会話をしていた。金の話ばかりだ。聞きたくないそんなん。水商売で稼いで、何かしたい事をやる、みたいな気持ちで飛び込んで、気付けばずるずると。そんな感じなんだろうか。派遣社員と似てるな。人の事いっとれんわ。しみったれた会話を盗み聞きつつ、ゴチバトルってまだやっとんのか成長せんのうアホ共、とボヤいてたら網の上の肉がはじけて指に喰らい付いて来た。大やけど。あっつー。水ぶくれになっとる。そこに煙が染みて痛いのなんの。もう肉を焼くのがイヤになったのでお勘定。何もかも普通の味でした。でもなんか落ち着けた。
- そうしてみみおで中華そばを喰らう。今日なんか、醤油濃いな。安定してないのかな。思いつつテレビを見ると阪神戦。ここ来たらいつも阪神戦やな。やや酔ってるので味も分からん。だから飲んだ後のラーメンは大嫌い。「シメのラーメン」って俺の前で言う奴は死ね！ラーメンの神さんに謝れ！
- 仕事は本当につまらない。以上。別に知識を深めたくも見聞を深めたくも無い。ああ、気付けば金曜日が終わっている。昨日は今日、今日は明日。昨日月曜今日金曜。もうワケが分からんねん。もうどうでもいい。明日も先週の休みと同じさ。
- 朝。人妻とすれ違う。お互い笑い合う。アホちゃうか俺ら？という空気が流れて、なんかいい感じ。何が「なんかいい感じ」じゃ。人のモンに萌えてたら世話ないわ。人のモンって分かってるから、今自由に楽しめているのかも知れない。アホ話ばかりしている日々が、笑いあってる日々が、今は楽しいの。どうせ何を望んでも、未来には何も無い。閉塞の闇。このまま、朽ちていくのみ。ああ、イヤだ。そんなのは、イヤに決まっている。でも、幸福は、望んではいけないの。私は運命の、傀儡だ！！！
- 人妻はかわいい。気が合う。波長が合う。どこまでも、こいに落ちていけばいいのさ。もう浮かぶ事も無いのだから。いや別にほれてないんだけど。
- 断ち切らなくて良い関係というのも稀有だ。心が安らぐ。人のプリン欲しそうにして、バカ以下の何者でも無いんだけど。いや欲しそうというのではないのだけれど、というか、なんというのだろう。フシギだよな、言葉は肝心な事を言い表せないんだもんな。まぁ向こうはなんとも思ってないんだし、こっちもそうだ。顔を見合わせて、なんか吹き出してしまう。そんな関係って、ええやん。あー出来ればそういうの中学生でやっときたかったよー！！ちゅーがくせい。わろてまうわ。ひきこもって音楽聴く以外何もやってなかったやないか。あんなカスみたいな時代。カス以下の連中と俺が何故同じ括りで扱われないかんのだ。アホか。あんなカス共と。あいつら全員、死んでもいいわ。断言出来る。せいぜい苦しんで死ねと思う。はぁもうどうでもいいわ。過去も未来も無いなんてな。全くバカげた人生だ。バカげた人生、バカげた苦しみ、バカげたよろこび、安らぎ。アホかホンマ。意味も無くキングクリムゾンで酩酊する通勤時間。キングクリムゾンは神。このカス世界で音楽以外に誇れるものがどこにあるっての。
- ああ、未来は俺の手の中。昔録音した曲をyoutubeとかにあげようかな。歌入れて。お蔵の曲はいっぱいあったりする。
- くたばれ自分自身。タスポなんか意味ねー。いかにもバカが考えそうな事だ。
