ゆっくりいこう

自分の為だけに書いています。意見は聞いていません。

  • 混濁して眠れない。
  • 色々な事を思い出していた。まっとうに見ようとしなかったつい最近の出来事達を。まともに見る事すらはばかられた。失敗した事は無かった事にしている。おまけに普通の人の思考が未だに分からない。どうして普通の人は怒るのか分からない。あなたはあの時、あの日、あの瞬間、何を思ってどう考えていたのだろう。相手を完全に好きになってしまうと何も分からなくなる。ただただ得体の知れない存在になってしまう。怖い。何を言われるか分からない。そういう時は大概しくじってしまう。機嫌を損ねるのが怖くてただ謝るだけ。笑っててくれたらそれでいい。笑ってて欲しい。怒らないで欲しい。それだけでいい。それだけでいいのに、自分が余計な事ばかりするから。怖い。どうして怒るのだろう。
  • 子作りが怖い。子供が出来たらどうしよう。汚い血が、継承されてしまうかも知れない。そんな事になったら、いたたまれないでは済まない。何度もそんな状況になりそうになったのを、はぐらかして来たのはそのためだ。どうせ結婚も出来ない。血も汚れている。汚い人間だから。子供にまで苦しんで欲しくない。あなたを奪い去るのは何も怖くなかった。ただ、それだけが怖くて、避けていた。それがまた、自分の憎い性的な衝動と相まってつらい。性別なんて、なければよかったのに。なんて下らない種族に生まれたのだろう。
  • あなたの手を取れば、それだけで全て満たされた。決定的な不具者である自分が宇宙から許された気がした。あなたは私の次の世界の扉を開く鍵だ。下世話な言い方をすれば、糧だ。私達は側に居る限りはお互いの閉塞した宇宙から解放されていた。だけど家に戻ると元通り、死んだ方がマシだとしか思えない暮らしを余儀なくされた。天空を駆ける整備不良の飛行機からボルトとナットが降って来て脳天を貫通してくれないかとずっと願っていた。死を願っていた頃はまだ良かった。今は死すら願えない。
  • あなたが何を思っているか全然分からなくなって、あなたがただただ怖くて、離れたくないのに離れざるを得ないと思って、ある事無い事、酷い言葉をぶつける。何を言ったかは覚えていない。こういうのは言われた方しか覚えていないものだ。あなたを遠ざけるしか出来ない。側に手繰り寄せるだけ手繰り寄せて、突き放す。誰かに自分を知って欲しくて、認めて欲しくて、けれどもそれは束の間のものでしかないと思い出して、絶望を忘れさせてくれるこいに没頭するのだけれども、結局は離れる事しか出来ないから。どんなに素晴らしい人に出会っても、離れる事しか出来ない。ならば嫌われた方が良い。離れた後に、あなたが、私に関する記憶を、抹消し易くする為に。だから私はあなたをたたく。こなごなにたたく。どこまでも。あなたが追って来なくなるまで。でもそれは、ほんとうに、とてもつらくて。こうやって書いているだけでもほんとうにつらい。安息の地なんて無い。あるのは血だけ。流されて固まった黒い血だけ。捨てられた子供の様な、後味の悪さだけが残る。
  • 教えて欲しい。あなたはあの時、あの瞬間、何を思っていたの。なんでも言って欲しかったのに、言ってくれなかった。それもそうだろう、その頃にはもう、遠ざけ始めていたから。相手の中で紡がれていた信頼の糸は、綺麗に切り放たれて。
  • 僕は何になるんだろう。僕は何にもなれない。他愛の無い事を言って話し合う。手を取り合う。側に居るだけで良い。あなたそのものが僕の残り半分なんだ。やっと見つけた。地獄の様な時代を生きて、血に塗れて狂って、正常を放棄して、なお死ねずに、生きる道も目標も持ってはいけない中、そこにあなたは居たんだ。ただただ穏やかに、優しさをたたえて。それはお互いが自覚している事だったのに。どうして怖くなるのだろう。後何度こんな事をしなければいけないのだろう。もう感情が無いよ。好きになった人に注ぎ込めるだけの愛情なんてとっくに無い。誰かに出会うと誰かを傷付ける。これはもう、そうなんだ。そう出来ている。
  • だからもう人とかかわらないような生き方を模索します。これに関しては結構本気なので。金さえあれば良い訳だから。お金さえあれば、本当に欲しかったもの以外はなんでも買える。本当に欲しかったもの以外は‥。
  • 余りにも思い出が鮮明で眩し過ぎて、僕には強過ぎて困る。何を言ってももうあなたに届かないのなら、せめて、もう本当に何事も無い人生を。ささやかに死ぬのもいい。それも最早良いだろう。