第三の手紙

• 自分をいたわる手紙。これを自分で書くのか。難しいなぁ。自分という、あなたに向けて。この流れを繰り返す。自分で自分を癒して明日へ進む為に。もう数年前の自分とは違う。自己否定と自己憐憫に浸っていた頃の自分とは違う。東海道を歩き切って自分にトドメを刺したのは嘘じゃない所を自分自身に証明しよう。

• もう、彼女は赤の他人。一週間ではまだどこまでそれを理解出来るか分からないけど、彼女がどこで何をしようが、心を痛めようが何しようが、つまりもう、あなたの与り知る所ではない。出来る限りの事はやった。伝わらない、真心や愛情もあるのだと言う事を知って下さい。あなたのその思いやりは、また今後の恋愛に活かす事が出来るだろう。現に今、接客のバイトをやっておりますが、その辺で真心は活かす事が出来ているじゃないか。持って生まれたものなのです。それは彼女との間に、特別に生まれたわけでも何でもない。その愚直な真心は、武器でもあり、弱点でもある。今後使い所を弁えた方が良いかも。でもそれは、きっとあなたの武器になります。

• 彼女の事がまだ好きなのは、今しばらくは仕方がない事だと思います。走り出した車は、急には止まれません。恋愛も同じ事だと思います。少々事故に遭おうが、ある程度の速度で以て、車は慣性の法則に従い、止まるまで進み続けます。これは仕方のない事です。多分に辛い事だと思います。ですがそれも、長い目で見て、一過性のものでしかありません。今は多分に辛いと思いますが、一過性の痛み、辛さ、及び諸々のネガティブな感情を、楽しむ位の気持ちで行きましょう。それでもいつか、この件に関わった者皆、忘れ去ってしまう記憶だから。

• あなたを侮辱した者達に、心を痛める事はないのです。彼女はあの日から変わってしまった。それはもう疑いようのない事。それ以前の思い出に浸るのは辞めましょう。せいぜい次の恋までです。彼女に出会うまでは、もう今後の人生なんもない、そう思ってたけど、素敵な恋愛があったでしょ？意外とそんなもんかも知れません。今はまだ、その可能性を見出す事が出来ないかも知れませんが、過去の経験上、塞ぎ込んでいる内に、結構良い縁が来たのを潰してしまったのを思い出して下さい。あれはマジで勿体なかった(笑)！一発損した(笑)！そう思えてしょうがない事もあったでしょう。身も蓋もない言い方ですが、平たく言えばそういう事なのです。

• だから既にあなたは次に向かって準備をもう始めていますね？それでいいのです。何ら問題はない。誰に後ろめたい事もない。現に彼女が居(ると思ってい)た頃から、種蒔きは進めていたはず。そう、それが男性の良い所でもあり、悪い所でもあるワケです。定置網漁と一緒。仕掛けを常に放り投げる事が大切です。一生の内に出会える人はたかが知れています。もっとバンバンやるべきだし進んで行くべきなんです。

• あなたを鼓舞する文章が書けているのか甚だ疑問ですが、続けます。

• それだけ悲しいという事は、絶対値。それだけ誰かを愛せたという事。別れて初めて気付きましたね、それだけ彼女を好きだったという事を。でもそれでいいじゃないか。気付かせてくれたから。一緒にいる時は近過ぎて分からなかった、本当に好きかどうか疑う事すらあった。保護者の様な気分になっていた時もあった。でもそれは、自分が経験してきた事を伝えた時だけ。知っている事は何でも伝えたし、過去も伝えた。何か掴んで貰える様に。そう思ったんでしょう？全てをオープンにして打ち合ったのは、良かったんですね。ボクシングで言えば、ノーガードの撃ち合い。TKOなんかで終わるわけがない。それだけしんどいのも、別れ際が醜いのも、当たり前。顔面ボッコボコに腫らして、泣き喚いて、怒り狂って、当然。でもね、それだけの感情がまだあったんだと知る事が出来て良かったなとも思っているでしょう？やはり感情がないなんて嘘。考えるだけ無駄な事を、考え続けていた事にようやく気付いたでしょう。

• 今すべき事は、確率を上げ続けていく事です。彼女は確かに、美人で、好きな音楽も一緒で、笑いのツボも近くて、一緒にいるだけで何か良いという様なほぼ理想的な人でした。もう今後は、あんな人に出会えないかも知れない。そう思っているかも知れない。けれど、彼女に出会う前、「彼女の様な理想的な人に出会える」なんて、思った事、ありましたか？無かったですよね。今度はそれプラス、「裏切らない人」に出会えるかも知れない。ここまでいったら流石に高望みすぎだろう？そう思うかも知れない。でも大事な事は、諦めで全てのチャンスを棒に振らない様にする事。色んな人と出会えばいいんです。今まで通り。

• こんな誰も読んでないブログですら知り合えた人が沢山いて、そしてその人達との思い出は今も自分の財産になっているのでしょう？無駄な事など、何もアリはしないのです。人の嫁さんと相思相愛になった事の報いだとか思ってもしょうがない事は思うのを辞めましょう。嫁がいなければ、自由に恋愛する事すら出来なかったのだから。心を痛めて、自分に伝えてくれた事の重みを実感しつつ、進んで行くべきなんです。