ゆっくりいこう

自分の為だけに書いています。意見は聞いていません。

スポーツナビ | 全国高校サッカー選手権大会 | 第88回 | コラム・会見 | 山梨学院大附の優勝が示した勢力図の変化

http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/hs/88th/text/201001120007-spnavi.html

夏まではダブルボランチは井上拓臣と碓井鉄平のコンビだった。井上が豊富な運動量で前線に飛び出し、碓井は中盤の底で正確な長短のキックで攻撃をコントロールする形だった。それでも十分に中盤は機能していたのだが、攻撃のバリエーションと厚みという点では、正直物足りなさがあった。要するに、碓井がそこまで驚異的な存在ではなかったのだ。さらに守備面でも関篤志と中田寛人のセンターバック(CB)コンビは高い守備能力を誇っていたが、攻撃の芽を摘む役割を果たすダブルボランチの位置での守備に難を抱えていた。

 しかし、夏になって横森監督は攻守の立て直しに着手した。CBの前に守備が強い選手を配置するために、CBの控えだった2年生の宮本龍をボランチに抜てき。対人と空中戦に強い宮本は、アンカーとして守備の安定という重責を担うと、碓井がより攻撃に専念できるようになった。パスを散らすだけだった碓井が2列目を自由自在に動き回れるようになったことで、2トップと両サイドハーフとの距離感が近くなり、より連動した攻撃が可能になったのだ。
 特にFC東京U−15むさしでも主軸で、高円宮杯全日本ユースU−15の準優勝メンバー同士でもある右MF平塚拓真とのコンビネーションは向上の一途をたどり、このホットラインは山梨学院大附の一つの武器となった。さらに右サイドバック(SB)にコンバートした井上も得意のアップダウンと献身的な守備で平塚を強力バックアップしたことで、平塚が常に高い位置でプレーできるようになり、さらにその武器はパワーアップした。

 このポジションチェンジがもたらしたのは、それだけではなかった。両CBと宮本が中央で強固なブロックを作り、さらに宮本が豊富な運動量で両サイドのケアを担当することになったことが大きな変化を生み出した。例えば、左の藤巻謙と井上のどちらか一方が攻撃参加をしたとき、宮本が上がってできたスペースをケアし、碓井か同サイドのMFが宮本のスペースをケアすることで、逆サイドのSBはあまり中に絞ることなく、常にサイドの位置で待機できる。そうすることで、常に逆サイドのMFが高いポジションを取ることができ、ボールを奪った際にすぐに逆サイドに展開して、分厚いカウンターを仕掛けることが可能になるのだ。

なるほど。